注文住宅でよく聞く耐震等級とは?
公開日:2024/12/15 最終更新日:2024/08/29

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耐震等級とは、地震に対する建物の耐震性能を示す指標です。2000年に施行された住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)にもとづいており、住宅性能表示制度の評価項目のひとつとなっています。今回は、注文住宅でよく聞く耐震等級についてくわしく解説します。注文住宅の建設を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

耐震等級とグレードについて

耐震等級とは、地震に対する建物の強度を3つのランクで示したものです。

数字が大きいほど耐震性能が高くなります。はじめに、耐震等級の区分とその特徴について解説します。

耐震等級1

耐震等級1は、現在の建築基準法で定められている最低限の耐震性能を満たす水準です。

耐震等級1は、震度6強〜7に相当する大地震でも倒壊しませんが、建物が損傷する可能性はあります。震度5強の地震では損傷を受けないように設計されていますが、震度6~7程度の地震では一定の損傷を許容しているため、損傷後の補修が必要になる場合があります。

大地震に耐えるには、より高い耐震等級を選ぶべきです。

耐震等級2

耐震等級2は、耐震等級1の1.25倍の耐震強度を持っています。

1.25倍の耐震強度は災害時の避難所として使用される学校や病院などの公共施設に求められる強度であり、災害後も補修を行えば住み続けられる程度の強度を有しています。ちなみに長期優良住宅として認定されるには、耐震等級2以上が必要とされています。

耐震等級3

もっとも高い基準である耐震等級3は、耐震等級1のおよそ1.5倍の耐震強度を持っています。

1.5倍の耐震強度は災害発生時の救護活動や災害復興の拠点となる消防署や警察署などで求められる強度です。震度6強から7の地震でもほぼ損壊せず、軽微な補修だけで住み続けることが可能です。耐震等級3の住宅は震度7の揺れを2度にわたって耐えた実績があります。

耐震等級の重要性

耐震等級は、建物の安全性を評価する重要な指標です。

地震が多い日本では、耐震性を考慮した住宅選びが重要になります。等級が上がるほど建物の構造は強固になり、安全性が高まる一方で、柱や梁が太くなるため、設計に制約が生じます。住宅を選ぶ際には、耐震等級などの要素を考慮し、耐震性能と設計バランスの検討が重要です。

耐震等級で知っておきたい注意点

耐震等級は、安全な暮らしに直結する重要な要素です。

家を建てる際や購入する前にしっかりと理解しておくことが重要です。次に、耐震等級に関する注意点をいくつかご紹介します。

耐震等級の取得は必須ではない

耐震等級を含む住宅性能表示制度は、あくまで任意の制度であり、すべての住宅が性能表示を行っているわけではありません。

とくに、2000年以前に建てられた建物については、住宅性能表示制度の評価書が取得されていないケースが多いです。ただし、1981年6月1日以降に建築された新耐震基準の建物であれば、耐震等級1を満たしていると考えてよいでしょう。

建築時の耐震等級は自分で選べる

注文住宅を建てる際は、設計の段階で施主が希望する耐震等級を選択できます。

住みやすさや予算、間取りなどに配慮しつつ、耐震等級についても検討しましょう。ただし、耐震性を高めるには、柱や壁の配置に制限ができ、間取りの自由度が低くなる可能性があります。こだわりたい間取りがある場合、あえて耐震等級を上げない選択肢をとるのも手です。

いずれにせよ、幅広い知識を持っておくと、後悔のない選択ができるでしょう。

耐震等級によって地震保険料の割引を受けられる

耐震等級の取得で、地震保険料の割引を受けられます。

割引率は耐震等級によって異なり、耐震等級3では50%、耐震等級2では30%、耐震等級1では10%の割引が適用されます。地震保険は、火災保険とセットでの加入が必須なため、手続きについては保険会社に確認が必要です。

また、割引を受けるには、耐震等級を証明する書類の提出が必要となります。

耐震性を高める4つのポイント

耐震等級を上げるには、次の4つのポイントに注意して建築を進めます。

以下に、耐震等級を高める4つの要素をくわしく解説します。

建物の重さ

建物が重いほど、地震の揺れで受ける衝撃が大きくなります。

反対に、軽くすると地震の影響を受けにくくなり、耐震性が向上します。建物全体の重量を軽くするには、軽量の屋根材や外壁材の使用が効果的です。とくに、木造建築は鉄骨造や鉄筋コンクリート造と比較して軽量であり、耐震性の面で有利とされています。

耐力壁の数

耐力壁は、建物の水平方向の力に対する耐性を高めるため重要な役割を果たします。

地震の横揺れや強風などの水平方向の力に対抗するには、筋交いや構造用合板を用いて耐力壁の増量が効果的です。耐力壁が多いほど、建物は横揺れに強くなり、地震による倒壊リスクを減少させます。

耐力壁の配置

耐力壁の配置も、耐震性を上げるうえで重要なポイントです。

単に耐力壁の数を増やすだけでなく、バランスのよい配置が求められます。偏った配置は、建物にねじれを生じさせ、耐震性を低下させる可能性があります。耐力壁は、1階と2階で位置をそろえるなど、全体的なバランスを考えて配置すると、地震の力を効率よく分散できます。

床の耐震性

建物の重さを支え、水平方向からの力を分散させる役割を持つ床は、耐震性を高めるために重要です。

壁と床はつながっているので、壁と床の強度のバランスが悪いと地震に耐えられません。床の耐震性を高めると、耐力壁が受けた揺れをうまく受け流し、建物へのダメージを最小限に抑えられます。

まとめ

耐震性の高い住居は、地震による被害を最小限に抑え、家族の安全を守るために不可欠です。耐震等級は3つに分けられ、注文住宅を建てる際の重要な要素になります。また、建物の重さ・耐力壁の数・耐力壁の配置・床の4つのポイントを考慮することで、住宅の耐震等級を向上させます。住宅を選ぶ際や建築を考える際には、上記のポイントをしっかりと確認し、気兼ねなく暮らせる住まい環境を実現しましょう。

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