せっかく注文住宅を建てるなら、省エネ性能の高い住宅を建てたいところです。そこで本記事では注文住宅を検討する際に耳にするZEH(ゼッチ)について、概要や種類、ZEH対応住宅のメリット・デメリットをわかりやすく解説します。ZEHとはどのような住宅かを理解し、快適で省エネな住まい作りの参考にしてください。
そもそもZEHとは
ZEHとはNet Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略で、年間の住宅におけるエネルギー消費量を実質ゼロ以下にすることを目指した住宅を指します。具体的には、断熱性能を高めた外壁や屋根、窓を採用し、省エネ性能の高い設備を導入することで消費エネルギーを抑え、太陽光発電などによる創エネルギーで消費分をまかなう仕組みです。
ZEHは将来的に義務付けられる
ZEHは将来的に住宅の標準仕様となる見通しです。建築物省エネ法の改正により、2025年4月からは新築住宅すべてが省エネ基準への適合を義務付けられます。具体的には、断熱性能の等級4以上や一次エネルギー消費量等級4以上の基準を満たす必要があります。
ZEHの種類
ZEHには大きく分けて3種類とそれぞれの上位モデルがあります。まず標準的なZEHは、高断熱化と省エネ設備、さらに再生可能エネルギー導入により年間エネルギー消費量を100%削減する住宅です。その上位モデルであるZEH+は、消費エネルギーのさらなる削減に加え、外皮耐熱性能の強化、高度なエネルギーマネジメント、電気自動車を活用した自家消費拡大措置のうち2つ以上を満たす必要があります。
次にNearly ZEHは、太陽光発電などの創エネルギーが充分に導入できない寒冷地や低日射地域などを対象に、消費エネルギーを75%以上削減する住宅です。これの上位モデルであるNearly ZEH+もZEH+同様、25%以上の追加削減と3つの要件のうち2つ以上を満たす必要があります。
最後にZEH Orientedは、都市部の狭小地や多雪地域など、創エネルギーの導入が困難なケースを対象とした住宅です。太陽光発電の設置を必須とせず、断熱性能向上と省エネ設備導入による消費エネルギー20%以上削減を目標としています。
注文住宅をZEH対応にするメリット
注文住宅をZEH対応にすることには、さまざまなメリットがあります。
光熱費の削減
まず大きなメリットとして光熱費の削減が挙げられます。ZEH住宅はエネルギー消費を極力抑え、太陽光発電などで必要分の電力を賄う設計となっているため、年間の光熱費を大幅に抑えることが可能です。たとえば温暖地である東京では年間約6万円、寒冷地の北海道では約12万円の削減が見込まれるとされています。
快適な居住空間の確保
次に、快適な居住空間を確保できる点も大きなメリットです。ZEH住宅は外壁や屋根、窓などが高断熱仕様となっており、外気の影響を受けにくいため、年間を通して安定した室内温度を保つことができます。これにより室内での温度差が少ない点から、ヒートショックなど急激な温度変化により発生する健康リスクを軽減する効果も期待できます。
補助金・税制優遇制度を活用できる
さらに、ZEH住宅では補助金や税制優遇などの制度を活用できることもメリットです。ZEH対応住宅は建築費が高くなる傾向がありますが、国や自治体による補助金の対象となる場合があります。また、固定資産税の減税や住宅ローン契約時の優遇措置なども設けられており、経済面での負担軽減が期待できます。
停電時の電力確保
加えて、停電時の電力確保も可能です。太陽光発電システムを備えたZEH住宅であれば、停電時にも電気を使用でき、蓄電池を併用することで夜間の電力も確保できます。長期的な停電が発生しても、比較的安心して日常に近い生活が可能です。
住宅の資産価値の向上
最後に、住宅の資産価値の向上も見込めます。今後ZEH基準が標準化されることが予想されるため、ZEH非対応住宅は将来的に中古市場での評価が低くなるリスクがあります。一方でZEH住宅は資産価値が高く、買い手に選ばれやすくなります。住宅ローン減税などの優遇措置も活用できることから、中長期的なメリットも大きいといえます。
注文住宅をZEH対応にするデメリット
注文住宅をZEH対応にする場合には、いくつかのデメリットも存在します。
建築費用の相場
まず挙げられるのは建築費用の増加です。ZEH住宅は高性能な断熱材や省エネ設備、太陽光発電システムなどを導入する必要があるため、一般的な住宅に比べて初期費用が高くなる傾向があります。ただし、光熱費の削減や余剰電力の売電、さらに国や自治体の補助金や税制優遇を活用することで、導入費用を一定期間で回収できる可能性があります。
間取り・デザインの制約
次に、間取りやデザインの制約が生じやすい点もデメリットです。高断熱化のために壁の厚みが増えることや省エネ設備や太陽光パネルの設置が必要なことから、自由な設計が難しくなる場合があります。とくに屋根に太陽光パネルを設置する場合は、方角や形状が発電効率に影響するため、デザインや角度に制限がかかるケースがあります。
維持・メンテナンス費用
さらに、維持やメンテナンスにかかる費用も考慮する必要があります。ZEH住宅では太陽光発電システムやHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)、高効率給湯設備など、多くの設備を導入するため、定期的な点検やメンテナンスの費用が必須です。設備の故障や交換が必要になった場合には、修理費用や交換費用も発生します。
まとめ
本記事では、ZEHの概要や種類、メリット・デメリットを詳しく解説し、快適で省エネな住まい作りの参考になる情報を紹介しました。注文住宅をZEH対応にすることで、光熱費の削減や快適な室内環境の確保、補助金や税制優遇の活用、停電時の電力確保、さらには住宅の資産価値向上といった多くのメリットが得られます。一方で、建築費用の増加や間取り・デザインの制約、設備の維持・メンテナンス費用といったデメリットも存在します。ZEHのメリットとデメリットの知識を活用し、ZEHに対応した注文住宅を建てる際の参考にしてください。